消防設備の仕事とは?
ビル・マンション・病院・工場・商業施設などには、消火器、スプリンクラー、屋内消火栓、自動火災報知設備(火災報知器)、避難はしご・救助袋などの消防設備を備えることが法律で決められています。さらに、設備は定期的に点検して消防署へ報告することも義務です。
この「設置する工事」と「定期的な点検・整備」を担うのが消防設備の仕事です。建物がある限りなくならない仕事で、景気の影響を受けにくいのが大きな特徴です。
仕事内容は「点検」と「工事」の2つ
| 区分 | 主な作業 | 働き方の特徴 |
|---|---|---|
| 点検・整備 | 感知器の作動試験、消火器の確認、ポンプの試運転、報告書の作成 | 日中にビルやマンションを回る。2〜4人のチームで動くことが多い |
| 設置工事 | スプリンクラーの配管、感知器の配線、受信機の取付け | 新築・改修の現場で他の職人と工程を合わせて動く |
| 改修・交換 | 古くなった感知器や消火器の交換、設備の入れ替え | 点検で見つかった不具合を直す。テナントの入れ替え工事も多い |
未経験の人は、点検の補助(感知器を試験器で鳴らす、消火器を数えるなど)から始めるのが一般的です。マンションの点検では住戸に入ることもあるため、あいさつや身だしなみなど接客に近い気配りも求められます。
工事の仕事は、配管寄りなら配管工、配線寄りなら電気工事士の仕事と重なる部分が多くあります。
消防設備士の資格:甲種と乙種
消防設備の仕事でいちばん大事な国家資格が消防設備士です。扱える設備によって「類」が分かれています。
- 甲種: 設備の工事と点検・整備ができる(特類・第1〜5類)
- 乙種: 点検・整備ができる(第1〜7類)
- よく使う類: 第1類=屋内消火栓・スプリンクラーなど水系、第4類=自動火災報知設備、第6類=消火器(乙種のみ)、第7類=漏電火災警報器(乙種のみ)
乙種は誰でも受験でき、甲種には実務経験や関連資格などの受験資格があります。**未経験から入るなら、まず乙種6類(消火器)と乙種4類(火災報知器)**を取るのが定番のルートです。点検の現場ですぐ役に立ち、資格手当がつく会社も多くあります。
そのほか、点検だけを行う「消防設備点検資格者」(講習で取る資格)や、配線工事に必要な電気工事士も役立ちます。試験の詳細は一般財団法人 消防試験研究センターの案内で確認してください。
年収の目安
| 段階 | 仕事内容 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 未経験〜1年目 | 点検の補助、消火器の確認、報告書の手伝い | 280〜350万円 |
| 点検担当 | 乙種を取って点検をひとりで任される | 350〜430万円 |
| 工事・現場リーダー | 甲種を持ち、工事や点検チームを仕切る | 420〜550万円 |
| 管理・営業技術 | 物件の点検計画、見積り、消防署への届出 | 480〜600万円 |
※求人票や業界の相場をもとにした目安で、地域・会社によって変わります。資格の数がそのまま評価につながりやすい業界なので、類を1つずつ増やしていくのが年収アップの近道です。
向いている人・職場選び
向いている人
- 決められた手順をきっちり守れる
- 人の命を守る仕事にやりがいを感じる
- いろいろな建物を回るのが苦にならない
職場選びのポイント
- 点検中心か、工事中心か(点検は日勤が多く、工事は現場の工程で夜間作業もある)
- 資格の受験費用の補助や、資格手当があるか
- 1日に回る物件数や移動距離(社用車での移動が多い仕事です)
ビル全体の設備を見るビルメンテナンスの仕事と組み合わせてキャリアを広げる人もいます。
まとめ
消防設備の仕事は、建物がある限り必要とされる安定した仕事です。未経験なら点検の補助から入り、消防設備士の乙種6類・4類→甲種へと資格を増やすほど任される仕事と年収が上がります。資格の取り方の全体像は建設業の資格ロードマップもあわせてどうぞ。