台風シーズンの現場仕事では休工時の給料と「備え・復旧で増える仕事」を解説しました。この記事はその実践編——台風が実際に直撃する日、働く側はどう動けばいいかのマニュアルです。
前日まで:確認しておく3つのこと
- 会社の判断基準と連絡方法: 「中止の連絡は誰から・何時までに・どの手段(電話/LINE/グループ)で来るか」を確認。決まっていない会社なら、自分から「明日の判断は何時ごろ出ますか」と聞いておきます
- 現場の養生が終わっているか: シート畳み・資材固縛・仮囲い補強は前日までが鉄則です(台風前に増える仕事)
- 自宅と通勤経路の備え: 公共交通の計画運休の予告、通勤路の冠水しやすい場所を頭に入れておく
当日朝:出勤判断の流れ
会社から中止連絡あり → 休み(給料の扱いは後述の記事参照)
連絡がない場合 ↓
暴風・大雨の特別警報や避難情報が出ている → 出勤前に会社へ連絡・確認
警報レベルだが移動は可能 → 会社の指示を確認してから行動
ポイントは、「連絡がないから自己判断で現場へ」をしないことです。台風時は現場が閉鎖されていたり、集合場所が変わっていたりします。必ず一報を入れてから動きましょう。
無理な出勤指示を受けたら: 暴風で公共交通が止まり、移動自体が危険な状況での出勤強制は、会社の安全配慮義務の観点から問題があります。「移動手段がなく安全に出勤できません」と記録に残る形(メッセージ)で伝えるのが自衛策です。
作業中止の目安を知っておく
現場の作業には、法令や各社の安全基準で風速による中止基準があります。代表的な目安は:
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 10分間平均風速10m/s以上 | クレーン作業は中止が原則 |
| 強風注意報レベル | 高所作業・揚重作業の中止を検討 |
| 暴風警報 | 屋外作業は原則中止 |
「このくらいなら大丈夫」と作業を続けさせる現場は、安全管理に問題があります。中止基準が明文化され、朝礼で共有される現場は当たりです。
通勤中・作業中にけがをしたら労災になる?
- 通勤中の被災: 合理的な経路・方法で通勤していれば、台風による事故でも通勤災害として労災の対象になり得ます。寄り道していた場合は対象外になることがあります
- 作業中の被災: 会社の指示で台風対応(養生・見回りなど)をしていてけがをした場合は業務災害です。雇用形態(バイト・派遣・日給)を問わず対象です
- いずれも治療費と休業補償の給付があります。会社が手続きに消極的でも、労働基準監督署に直接申請できます
直撃後:再開前の点検が最重要
台風通過後の現場は、見た目以上に危険が残ります。再開初日は次の点検から始まるのが正しい手順です。
- 足場・仮設: 緊結部のゆるみ、シートの破損、基礎の洗掘。点検前に足場に乗らない
- 電気設備: 仮設電気の浸水・漏電チェック。水たまり付近の電動工具は使用前に確認
- 地盤・掘削部: 雨水による法面の崩れ、掘削溝の湛水。排水してから作業再開
- 資材・重機: 飛来物の混入、重機の転倒・沈下がないか
朝イチで「点検やるぞ」と始まる現場は安全文化が根付いています。逆に、通過直後から通常作業に突入する現場では、自分の持ち場だけでも指差し確認してから作業に入りましょう。
まとめ
台風当日の行動は「前日までに連絡ルールを確認→当日は必ず会社へ一報→中止基準を知っておく→再開前は点検から」の4点です。休工時の給料の扱いと台風前後で増える仕事は台風シーズンの現場仕事、大規模被害後の復旧の仕事は災害復旧の仕事ガイドにまとめています。安全第一——現場は逃げませんが、命は取り返しがつきません。