屋根職人とは? 2つの系統
屋根職人は大きく2系統に分かれます。
- 建築板金(金属屋根): ガルバリウム鋼板などの金属屋根の施工・雨どい・外壁板金。現在の新築・葺き替えの主流で、軽くて耐震性に有利
- 瓦葺き(かわらぶき): 日本瓦・洋瓦の施工。伝統技能の世界で、寺社仏閣の仕事も
このほか、スレート屋根の塗装・カバー工法などは塗装工や板金職人が担います。どちらの系統も高所での仕事のため、足場やフルハーネスの知識が必須です。
台風のたびに需要が跳ねる仕事
屋根は建物の中で最も風水害のダメージを受ける部位です。台風シーズンのたびに、瓦のずれ・板金の剥がれ・雨漏りの修繕依頼が集中します。
- 台風・豪雨の後は数ヶ月先まで予約で埋まる地域も
- 火災保険(風災補償)を使った修繕工事が多く、単価も安定
- 災害復旧の現場でも屋根の応急処置(ブルーシート養生)は最初に必要とされる仕事
一方でこの需要を狙った**「保険で無料修理」をうたう悪質業者**が社会問題になっています。まともな会社で腕を磨いた職人ほど、この状況では逆に信頼で選ばれる存在になります。
年収の相場
| キャリア段階 | 収入目安 |
|---|---|
| 見習い(1〜3年) | 日給10,000〜13,000円/年収280〜350万円 |
| 一人前(5年〜) | 日給15,000〜18,000円/年収400〜500万円 |
| 板金工場長・親方クラス | 年収500〜650万円 |
| 独立(板金工事店) | 年収600〜1,000万円 |
屋根は「家一軒を任される」職種のため、独立後の単価が高いのが特徴です。エンドユーザーから直接受注できる分野(独立の損得)でもあります。
資格とキャリアパス
- 入職時: 資格不要。ただしフルハーネス特別教育と足場の組立て等特別教育は早めに(高所作業の実質必須装備)
- 建築板金技能士(2級→1級): 板金系の腕の証明。1級は独立・受注の信用に直結
- かわらぶき技能士: 瓦系の国家資格
- 建築板金基幹技能者/瓦屋根工事技士: 職長・管理クラスへ
- 雨どい・外壁も含めた多能工化で仕事の幅が広がる
大変な面と向いている人
大変な面
- 夏の屋根の上は過酷(表面温度は真夏で60℃超。朝型シフトが標準)
- 高所作業のため、安全管理を怠る会社では働かないこと
- 雨の日は施工できない仕事が多い(休工時の給料の考え方)
向いている人
- 高い所が苦にならない
- 「自分の仕事が一軒の家を守る」実感が欲しい
- 独立志向がある(地域密着で長く稼げる分野)
まとめ
屋根職人は、住宅ストックの老朽化と毎年の風水害で需要が絶えない、独立にも強い職種です。金属屋根が主流の今は建築板金からの入職が王道で、技能士とフルハーネスなどの安全資格を積めば日給18,000円クラスも現実的。台風のたびに「頼れる職人」が足りなくなるこの分野、手に職の選択肢として一考の価値があります。ほかの職種との比較は未経験からの建設業ガイドをどうぞ。