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鋳造工(鋳物工場)への転職ガイド|仕事の流れ、鋳造技能士・ダイカスト技能士、年収の目安

溶かした金属を型に流し込んで部品をつくる「鋳造」は、自動車や機械、水道設備を支えるものづくりの土台です。砂型鋳造とダイカストの違い、仕事の流れ、鋳造技能士などの資格、年収の目安、向いている人と職場選びのポイントを解説します。

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鋳造(ちゅうぞう)の仕事とは?

鋳造とは、鉄やアルミなどの金属を高温で溶かし、型に流し込んで固めて形をつくる加工方法です。こうしてできた製品を「鋳物(いもの)」と呼びます。

自動車のエンジン部品やブレーキ部品、工作機械の土台、マンホールのふた、水道のバルブ、フライパンや鉄瓶まで、身の回りには鋳物がたくさんあります。削ったり曲げたりでは作りにくい複雑な形を一度でつくれるのが鋳造の強みで、ものづくりの土台といえる仕事です。

主な鋳造の種類

種類どんな方法か主な製品働き方の特徴
砂型鋳造砂を固めて型をつくり、溶けた金属を流し込むエンジンブロック、機械の部品、マンホールのふた型づくりから流し込みまで人の手が入る工程が多い
ダイカスト金属の型にアルミなどを高い圧力で押し込む自動車のケース部品、家電の部品機械オペレーターが中心。大量生産で交代勤務が多い
精密鋳造(ロストワックス)ろうで原型をつくり、周りを固めてからろうを溶かし出すタービン部品、医療機器、ゴルフヘッド細かい作業が多く、小ロットの製品も多い

未経験から入りやすいのは、**ダイカストのオペレーターや、砂型鋳造の後工程(仕上げ・検査)**です。機械を動かす仕事は射出成形オペレーターやプレス加工と似た部分があります。

砂型鋳造の1日の流れ

  1. 造型(ぞうけい): 砂を固めて鋳型をつくる。中が空洞になる製品には「中子(なかご)」という砂の芯を入れる
  2. 溶解: 炉で金属を溶かす。鉄なら1,400℃前後の高温になる
  3. 注湯(ちゅうとう): 溶けた金属を取鍋(とりべ)で運び、型に流し込む
  4. 型ばらし: 冷えて固まったら砂型を壊して製品を取り出す
  5. 仕上げ: はみ出した部分(バリ)をグラインダーで削り、ショットブラストで表面をきれいにする
  6. 検査: 寸法や割れ・すき間(巣)がないかを確認する

新人は仕上げや型ばらし、造型の補助から始め、慣れてきたら注湯や溶解を任されるのが一般的です。

鋳造の仕事で役立つ資格

国家資格の技能検定に、鋳造とダイカストの職種があります。

資格内容等級
鋳造技能士鋳鉄鋳物・鋳鋼鋳物・軽合金鋳物・銅合金鋳物の各作業から選ぶ。造型や鋳込みの技能を問う特級・1級・2級
ダイカスト技能士ダイカストマシンを使った鋳造の技能を問う1級・2級
玉掛け技能講習クレーンで型や取鍋をつり上げるときに必要―
床上操作式クレーン運転技能講習工場内の天井クレーン(つり上げ荷重5トン以上・床上操作式)の運転に必要―
フォークリフト運転技能講習材料や製品の運搬で使う―

ほかに、グラインダーの砥石を交換するための「自由研削用といしの取替え等の業務に係る特別教育」を受ける工場も多くあります。技能検定の受検資格や日程は、各都道府県の職業能力開発協会で確認してください。

フォークリフトやクレーンなど工場で役立つ資格は工場で役立つ資格ランキングでもまとめています。

年収の目安

段階仕事内容年収の目安
未経験〜1年目仕上げ、型ばらし、造型の補助300〜370万円
一人前造型・注湯・ダイカストの段取りを任される370〜450万円
班長・技能士2級・1級技能士を持ち、ラインや班をまとめる430〜550万円
職長・生産技術鋳造方案(型の設計)、不良対策、後輩の指導500〜600万円

※求人票や業界の相場をもとにした目安で、地域・会社・交代勤務の有無によって変わります。高温の現場のため暑熱手当や交代手当がつく工場もあります。

きつい点と向いている人

きついと感じやすい点

  • 炉の近くは暑く、夏場は特に体力を使う
  • 砂ぼこりや音、においがある職場が多い
  • 重い型や製品を扱うので、腰に負担がかかりやすい

向いている人

  • 自分の手でつくったものが形になることに喜びを感じる
  • 暑さや汚れよりも「腕を上げること」に興味がある
  • 安全のルールをきちんと守れる

職人として腕を磨きたい人には、溶接や機械加工と並んで長く続けられる仕事です。近い仕事として溶接工や機械加工の記事も参考にしてください。

職場選びのポイント

  • 何を、どの方法でつくっているか(砂型の手作業中心か、ダイカストの機械中心か)
  • 暑さ対策: スポットクーラーや送風機、休憩所の冷房、空調服の支給があるか
  • 集じん・換気の設備と、防じんマスクなど保護具の支給
  • 技能検定の受検支援(受検料の補助や合格手当)

見学できる工場なら、炉まわりの作業環境を自分の目で見ておくと入社後のギャップが小さくなります。

まとめ

鋳造は、溶けた金属から部品を生み出す「ものづくりの土台」の仕事です。未経験なら仕上げやダイカストのオペレーターから入り、鋳造技能士・ダイカスト技能士と玉掛け・クレーンの資格を重ねるほど、任される仕事と年収が上がります。暑さ対策や保護具がしっかりした工場を選ぶことが、長く続けるいちばんのコツです。