「派遣は時給が高い」のカラクリ
工場の求人を見ると、派遣の時給(1,300〜1,700円)は正社員の初任給を時給換算した額より高いことがよくあります。しかし額面の時給だけで比べるのは危険です。
| 項目 | 派遣 | 期間工 | 正社員 |
|---|---|---|---|
| 時給換算 | 高め(1,300〜1,700円) | 高め+満了金 | 低め(だが昇給あり) |
| ボーナス | なしが基本 | 満了金という形で有り | あり(年2回) |
| 昇給 | ほぼなし | ほぼなし | 毎年積み上がる |
| 雇用の安定 | 減産時に契約終了リスク | 契約期間まで | 最も安定 |
| 社会保険 | 条件を満たせば加入 | 加入 | 加入 |
| 教育・資格支援 | 限定的 | 会社による | 手厚い |
| 配属の希望 | 通りやすい(選んで入れる) | 選べないことが多い | 異動あり |
ポイントは**「今の時給」と「5年後の月給」のどちらを取るか**です。正社員は昇給・賞与・退職金で後から逆転していくのに対し、派遣の時給は何年働いてもほぼ横ばいです。
それぞれが向いているケース
派遣が向いている人
- 短期間で条件の良い職場を試したい: 合わなければ次に移りやすい
- 働く場所・時間帯を選びたい: 日勤のみ・残業なしなどの希望が通りやすい
- 正社員登用の入り口として使う: 紹介予定派遣や「派遣→直接雇用」の実績がある職場を選ぶ
期間工が向いている人
正社員が向いている人
派遣から正社員への現実的なルート
「まず派遣で入って、正社員を目指す」は工場では現実的な戦略です。成功率を上げるコツは:
- 「直接雇用の実績」がある職場を選ぶ: 派遣会社の担当者に登用実績を聞くのが手っ取り早い
- 紹介予定派遣を優先: 最初から直接雇用前提の契約形態
- 出勤率と改善提案: 期間工の正社員登用と同じく、無遅刻無欠勤が最重要の評価軸
- 資格を取る: フォークリフトやQC検定は「登用したい人材」の証明になる
注意したい「ずっと派遣」のリスク
- 減産・不況時は派遣から先に契約終了になる(リーマンショック・コロナ禍で実証済み)
- 同じ職場で働ける期間には3年ルール(労働者派遣法)がある
- 40代以降、派遣の求人は年齢で狭まりやすい(40代50代の工場転職参照)
派遣は「便利な入り口」として使い、30代のうちに正社員化の道筋をつけるのが、リスクを抑えた王道です。
まとめ
派遣・期間工・正社員は優劣ではなく「目的別の道具」です。試したい・選びたいなら派遣、短期で貯めたいなら期間工、積み上げたいなら正社員——。大事なのは額面の時給ではなく、5年後の自分の月給と雇用の安定まで含めて比べること。今は人手不足で正社員登用の門が広い時期なので、派遣で入る場合も「登用実績のある職場」を選んでおきましょう。