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送電線工事(ラインマン)への転職ガイド|鉄塔の組立・架線の仕事内容、必要な資格、年収の目安

山や田畑の上に立つ大きな鉄塔と送電線をつくり、守るのが送電線工事の仕事です。ラインマンと呼ばれる作業員の仕事内容(基礎・組立・架線・保守)、未経験からの入り方、役立つ資格、年収の目安、向いている人を解説します。

#送電線#鉄塔#ラインマン#高所作業#インフラ

送電線工事の仕事とは?

発電所でつくった電気は、鉄塔と送電線を通って遠く離れた街や工場まで運ばれます。この鉄塔を建て、電線を張り、古くなった設備を点検・交換するのが送電線工事の仕事です。現場で鉄塔に登って作業する人は**「ラインマン」**と呼ばれています。

鉄塔の多くは山の中や田畑の真ん中に立っていて、高さは数十メートルから100メートルを超えるものまであります。電気が止まれば生活も産業も止まるため、社会を足元から支えるインフラの仕事です。

全国では古い鉄塔の建て替えや、地域をまたいで電気を融通するための送電網の増強も計画されており、長く必要とされる仕事です。

仕事は大きく4つ

工程主な作業特徴
基礎工事鉄塔の足元を掘り、鉄筋とコンクリートで基礎をつくる土木工事に近い。山奥では資材をモノレールやヘリコプターで運ぶこともある
組立工事鉄塔の部材をクレーンや専用の機械でつり上げ、ボルトで組み上げる高所でのボルト締めが中心
架線工事鉄塔と鉄塔の間に電線を張り、張り具合を調整するウインチや延線車を使う。チームの連携がもっとも大事
保守・改修定期的な巡視・点検、電線や部材の交換、塗装電気を止めずに作業する特殊な工事もある

未経験の人は、資材の運搬や地上での補助作業から始め、安全教育を受けてから少しずつ鉄塔に登るのが一般的です。高所作業が中心という点ではとび職、大きな構造物を組むという点では橋梁工事の仕事と似ています。

1日の流れ(架線工事の例)

  1. 朝、宿舎や事務所から現場へ移動(山の現場では車で移動したあと歩いて登ることもある)
  2. 朝礼・KY活動(危険予知)で、その日の作業と危ない場所を全員で確認
  3. 安全帯(フルハーネス)や工具を点検し、鉄塔に登る
  4. 地上のウインチ担当と無線で連絡を取りながら、電線を少しずつ送り出して張る
  5. 夕方に片付けと翌日の段取り。天気が荒れる日は作業を中止

工事の現場は地方の山間部が多いので、数週間〜数か月単位の出張になることがよくあります。出張手当や宿舎がある会社がほとんどです。

必要な資格・役立つ資格

送電線の工事には、「この資格がないとラインマンになれない」という専用の国家資格はありません。多くの会社が「資格不要・入社後に研修」で採用し、仕事に必要な資格を会社の費用で取らせてくれます。

資格・教育何に使うか
フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育鉄塔の上でフルハーネスを使って作業するときに必要
玉掛け技能講習クレーンで部材をつり上げるときに必要
小型移動式クレーン運転技能講習つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンの運転
巻上げ機(ウインチ)の運転の特別教育架線工事で使うウインチの操作
第二種電気工事士電気の基礎知識の証明として評価されやすい
1級・2級電気工事施工管理技士現場をまとめる施工管理を目指すなら

求人では普通自動車免許(AT限定不可のことも)が必須になっていることが多いので、応募前に確認しましょう。クレーンの仕事についてはクレーンオペレーターの記事も参考になります。

年収の目安

段階仕事内容年収の目安
未経験〜2年目資材運搬、地上での補助、安全教育320〜400万円
一人前のラインマン鉄塔の上で組立・架線を任される400〜520万円
班長・職長班をまとめ、作業の段取りと安全管理を行う500〜650万円
施工管理工程・安全・品質の管理、電力会社との調整550〜700万円

※求人票や業界の相場をもとにした目安で、会社・地域・出張の多さによって変わります。出張手当や高所作業の手当がつくため、同じ年代の地上作業より手取りが多くなりやすいのが特徴です。

向いている人・注意点

向いている人

  • 高い所が苦にならない(最初は怖くても、慣れていく人が多い)
  • 仲間との声かけや連携を大切にできる
  • 自然の中で体を動かすのが好き

注意しておきたい点

  • 山の中の現場が多く、夏の暑さ・冬の寒さが厳しい
  • 出張が多いので、家族との時間の取り方を考える必要がある
  • 天候で作業が止まりやすい。月給制か日給制かは必ず確認する

職場選びのポイント

  • 電力会社の工事を直接受ける会社か、その下請けか(仕事量と安定性が変わる)
  • 研修の内容と、資格取得の費用を会社が出してくれるか
  • 出張の頻度、出張手当、宿舎の条件
  • 安全への取り組み(安全教育の時間、保護具の支給、無事故の記録)

土木の会社全体の選び方は土木の会社選びガイドもあわせて読んでみてください。

まとめ

送電線工事は、鉄塔を建てて電線を張り、電気の通り道を守るインフラの仕事です。専用の国家資格はなく、未経験から研修を受けてラインマンを目指せます。フルハーネスや玉掛け、クレーンなどの資格を重ね、班長や施工管理へ進むほど年収も上がります。高所と出張に向き合えるなら、長く必要とされる手堅い仕事です。