シーリング工の仕事とは?
マンションやビルの外壁をよく見ると、壁のパネルのつなぎ目や窓枠のまわりに、ゴムのような線が通っています。これがシーリング材です。すき間を埋めて雨水の浸入を防ぎ、建物が熱や揺れで動いたときの伸び縮みも吸収します。
厚生労働省の技能士インタビューでは、シーリング防水工事を「防水や耐震性能、熱による伸び縮みの吸収性を高めるために、外壁部材のすき間にシーリング材を充填・接着する工事」と説明しています。
小さな線に見えますが、ここが傷むと雨漏りにつながります。建物を長持ちさせるための仕事であり、新築だけでなく古くなった建物の改修工事でも必要とされます。屋上やベランダを含む防水全般は防水工の記事にまとめています。
主な施工場所と工事の種類
| 区分 | 内容 | 現場の例 |
|---|---|---|
| 新築工事 | 外壁パネルの目地やサッシのまわりに新しく充填する | マンション、オフィスビル、商業施設 |
| 打ち替え | 古いシーリング材を取り除き、新しく充填する | 大規模修繕、外壁改修 |
| 増し打ち | 既存のシーリング材の上から重ねて充填する | 撤去が難しい部分など |
作業の流れ(打ち替えの例)
- 撤去: カッターで古いシーリング材を切り取り、取り除く
- 清掃: 目地のホコリや汚れを落とす。ここが甘いとはがれの原因になる
- 養生: 目地の両側にマスキングテープを貼り、まわりを汚さないようにする
- プライマー塗布: シーリング材の密着をよくする下塗り材を塗る
- 充填: 専用のガンでシーリング材をすき間なく詰める
- へら押さえ: へらで押さえて密着させ、表面を平らに整える
- テープはがし・確認: 固まる前にテープをはがし、仕上がりを確かめる
インタビューでは、1級技能士が固まる前のシーリング材に気泡や異物を入れないことを重視していると語っています。地味に見えて、見えない部分の丁寧さが品質を決める仕事です。
1日の流れ(改修工事の例)
- 朝礼とKY活動(危険予知)で、その日の作業と危険な場所を確認
- 足場に上がり、前日の続きから撤去や清掃を進める
- 養生・プライマー・充填の順に作業。シーリング材の種類ごとに扱い方を確認する
- 雨の日は接着不良を防ぐため、屋外の充填作業を止めることがある
- 片付けと翌日の段取りをして終了
天候の影響を受ける仕事なので、日給制か月給制か、雨の日の扱いはどうなるかは入社前に確認しておきましょう。同じく改修で需要のある仕事としては塗装工やガラス・サッシ施工もあります。
必要な資格・役立つ資格
シーリング工になるために必須の国家資格はありません。求人でも未経験可で募集し、入社後に資格支援をする会社が見られます。
| 資格・教育 | 内容 |
|---|---|
| 防水施工技能士(技能検定) | 「シーリング防水工事作業」の1級・2級があり、技術の証明になる |
| フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育 | 高所でフルハーネスを使って作業するときに必要 |
| ロープ高所作業の特別教育 | 足場を使わず、ロープで外壁を降りて作業するときに必要 |
| 足場の組立て等の特別教育 | 足場の組立て・解体・変更の作業に関わるときに必要 |
| 有機溶剤作業主任者技能講習 | 有機溶剤を使う作業の管理者になるときに必要 |
技能検定の受検には原則として実務経験が必要で、中央職業能力開発協会の案内では2級は2年以上、1級は7年以上が目安です。最新の条件と日程は都道府県職業能力開発協会で確認してください。建設の資格全体は資格ロードマップも参考になります。
年収の目安
job tagの「防水工」(シーリング工を含む)には、次の数字が載っています(出典は令和7年賃金構造基本統計調査、2026年11月5日確認)。
| 項目 | 全国の数字 |
|---|---|
| 年収 | 466.9万円 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 月の労働時間 | 168時間 |
実際の求人の提示額は幅があります。以下は2026年11月に求人サイトで見られた例で、相場の平均ではありません。
| 求人の例 | 提示額 |
|---|---|
| 愛知県・未経験者 | 日給1万円〜 |
| 埼玉県川口市 | 日給1.5万〜1.8万円 |
| 東京都(葛飾区の営業所) | 日給1.8万〜2.8万円 |
| 大阪府・防水工事作業員 | 月給25万〜50万円 |
job tagによると、防水工の賃金は日給月給制が多く、現場によっては出来高制の請負もあります。日給が高くても、月に何日働けるかで年収は大きく変わります。
向いている人・注意点
向いている人
- コツコツと丁寧な作業を続けられる
- 仕上がりの細かいところが気になる
- 高い場所での作業に抵抗が少ない
注意しておきたい点
- 足場の上での作業が多く、夏の暑さと冬の寒さが厳しい
- 溶剤を使う場面があるので、換気や保護具のルールを守る
- 独立や請負では、社会保険や税金を自分で管理する必要がある(一人親方と正社員の比較)。詳しくは年金事務所や税務署などで確認を
職場選びのポイント
- 新築と改修のどちらが多いか(改修が多いと現場の種類が広がる)
- 雨で休みになった日の給料の扱い
- 資格の取得費用を会社が負担してくれるか
- 足場や保護具など、安全への取り組み
応募の準備は職務経歴書の書き方から始めるとスムーズです。
まとめ
シーリング工は、建物のすき間を埋めて雨水や揺れから建物を守る職人です。未経験から入れる求人があり、実務を積めば防水施工技能士(シーリング防水工事作業)で技術を証明できます。新築だけでなく改修でも必要とされるので、丁寧な作業が得意な人なら長く続けやすい仕事です。
出典・参考(2026年11月5日確認): 厚生労働省 ものづくりマイスターの技「Vol.08 シーリング防水工事」、厚生労働省 job tag「防水工」、中央職業能力開発協会「技能検定制度について」、求人例はIndeed「シーリング工の求人」ほか。求人の条件は掲載時点のもので、変わることがあります。