この記事でわかること
2026年10月時点の「工場・建設・土木の転職市場」をまとめた月例レポートです。今月の要点は:
- 新しい最低賃金がついに発効 — 10月1日から37都道府県で。11月・12月発効の県もあるので、自分の県の日付を確認
- 求人倍率は1.18倍で横ばい、製造業の新規求人は増加 — 全体の求人は減る中で、工場の求人は前年より増えている
- 熊本は「復興プラン」策定の段階へ — 地震から2ヶ月半、仮設住宅の入居と公費解体が進む
先月号(9月のレポート)、8月号もあわせてどうぞ。
今月の最重要ニュース:最低賃金が発効、全国平均1,177円に
2026年度の最低賃金は、**全国加重平均で1,177円(前年度から56円の引き上げ)**に決まりました。引き上げ額は、過去最高だった昨年度の66円に次ぐ大きさです。
発効日は県によって分かれます。
| 発効時期 | 対象 |
|---|---|
| 10月 | 37都道府県(東京・大阪・愛知など) |
| 11月 | 山梨・京都など7府県 |
| 12月 | 岩手・熊本・沖縄の3県 |
主な県の金額は、東京1,280円、大阪1,231円、愛知1,195円(いずれも10月1日発効)です。
- 10月分の給与明細を確認しましょう: 10月発効の県で時給が新しい額を下回っていたら、それは違法です。労働基準監督署か労働局に相談を
- 月給の人も他人事ではありません: 月給を時間あたりに直したときに最低賃金を下回っていないか、確認する方法があります(詳しくは各労働局の案内で)
- 11月・12月発効の県で働く人は、発効日の前後で求人の時給が上がるので、応募の比較に使えます
求人倍率は1.18倍:全体は横ばい、工場の求人は増加
10月2日に発表された8月分の有効求人倍率は1.18倍で前月と同じ水準でした。正社員の有効求人倍率も1.00倍で横ばい。完全失業率は2.5%と、前月から0.1ポイント上がっています。
全体の新規求人は前年同月比で3.4%減り、とくに宿泊・飲食(11.1%減)、卸売・小売(10.2%減)で減少が目立ちます。一方で、製造業の新規求人は前年同月比3.9%増。先月号で取り上げた増加の流れ(7月分は+6.8%)が続いています。
都道府県別(就業地別)では、最も高いのは福井県の1.72倍、最も低いのは大阪府の0.95倍でした。地域による差が大きいので、自分の地域の数字は都道府県労働局の発表で確認してください。
ここからは地域別に見ていきます。
関東:最低賃金1,280円で時給相場が一段上へ
- 東京の最低賃金は10月1日から1,280円。工場・倉庫・警備などの時給求人は、新しい額を前提にした募集に切り替わっています
- 年度後半の工期に向けて、施工管理・設備系の採用は引き続き活発
- 年末の繁忙期に向けた短期・期間の求人も出始める時期です
関東で転職するなら: 時給の求人は「新しい最低賃金からいくら上か」で比べるのがおすすめ。正社員を目指すなら職務経歴書の準備を先に。
関西:大阪は全体の倍率が全国最低、ただし現場職は別
- 大阪府の有効求人倍率(就業地別)は0.95倍で全国で最も低い水準。ただしこれは事務・販売などを含む全体の数字です
- 建設の職人や工場の技能職は、9月号でお伝えした通り人手不足が続いており、職種によって状況がまったく違うのが関西の特徴です
- 大阪の最低賃金は10月1日から1,231円。京都は11月発効なので、京都で働く人は日付に注意
関西で転職するなら: 「全体の数字が低い=仕事がない」ではありません。現場職・技能職に絞って求人を見ると、条件の良い募集が見つかりやすい市場です。
東海:愛知は1,195円へ、期間工の募集時給にも反映
- 愛知の最低賃金は10月1日から1,195円(55円の引き上げ)
- 期間工や派遣の募集時給も新しい相場に切り替わる時期。年末までの短期募集もあわせて比べたい
- 製造業の新規求人が全国で増えている流れは、ものづくりの集まる東海にとって追い風です
東海で転職するなら: 時給だけでなく、満了金・寮費・正社員登用の有無まで含めて比べましょう。工場の寮のチェックポイントも参考に。
九州・熊本:地震から2ヶ月半、復興プラン策定の段階へ
7月28日の熊本地震から2ヶ月半。応急の段階から、住まいと生活の再建へと軸足が移っています。
- 熊本県は10月下旬に「復旧・復興プラン」を策定する予定。9月1日付で組織も改編しました
- 熊本市では**半壊以上の家屋の公費解体(所有者の自己負担なし)**が決まり、建設型仮設住宅の追加募集(10月1〜14日、入居は17日予定)も行われています
- 解体・補修・インフラ復旧の仕事は当面続く見込み。仕事の種類は災害復旧の仕事ガイドに、支援制度は特別レポートにまとめています
- 熊本県の新しい最低賃金は12月発効。10月・11月はまだ旧額なので、発効日を確認しておきましょう
- TSMC第2工場(菊陽町)は約1,700人の雇用が見込まれる大型プロジェクト。建設の進み具合は引き続き注目です
九州で転職するなら: 復旧の仕事は県外から入る人も多い分野です。宿泊・移動の条件と契約書を必ず確認してから動きましょう。
北海道:ラピダスは2027年度の量産に向けて準備が進む
- 千歳のラピダスは2027年度の量産開始に向けて、海外の公的機関との技術連携を広げるなど準備を進めています
- 千歳市もラピダス関連の予算(住まいなど定住環境の整備)を組み、地域ぐるみで受け入れの体制を整えています
- 北海道ではこれから冬に入り、除雪オペレーターなど冬の仕事の募集が増える時期です
北海道で転職するなら: 半導体関連は半導体工場の仕事ガイドで仕事の中身をつかんでから。冬の仕事を探すなら10月中の応募が目安です。
地域別まとめ
今月の結論:10月にやるべき3つのこと
- 10月分の給与明細で最低賃金をチェック: 時給の人は新しい額になっているか、月給の人も時間あたりに直して確認を
- 年末の繁忙期・冬の仕事に向けて応募する: 年末に向けた増産や工期の追い込みで求人が出る時期。冬の現場の備えは冬の現場準備ガイドで
- 冬のボーナス後の転職を考えるなら準備を始める: 12月に支給を受けてから動く人は、今のうちに情報集めを(冬のボーナス後の転職)
来月も最新の動きをお届けします。
出典・参考データ(2026年10月12日時点): 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」、日本経済新聞(8月の有効求人倍率1.18倍、失業率2.5%)、労働新聞(最賃56円引上げに 平均時給は1177円)、熊本日日新聞(最低賃金、全国平均1177円)、杉並区(東京都最低賃金の改正 2026年10月1日)、労務ドットコム(愛知県の最低賃金1,195円)、熊本日日新聞(復旧・復興プラン10月策定)、熊本日日新聞(熊本市 公費解体を決定)、熊本日日新聞(建設型仮設の追加募集)、北海道新聞(ラピダス 英伊の公的機関と連携)、北海道新聞(千歳市 ラピダス関連予算) ほか。数値は公表時点のものであり、最新値・正式な金額と発効日は各出典と都道府県労働局の発表をご確認ください。図解はデータをもとにした当サイト作成のイメージです。